内定者の声
就職活動を終えた先輩たちに、内定獲得までの道のりを振り返ってもらいました。
健康科学部 健康栄養学科 西田 匡希 さん
食の専門知識を活かして、公務員として働きたい。
諦めない就活で夢を掴みました。

西田 匡希 さん
厚生労働省 横浜検疫所
健康科学部 健康栄養学科 2023 年 3 月卒業
大阪府立吹田東高等学校出身
病院、企業、学校、行政など幅広いフィールドに活躍の場がある栄養の分野に魅力を感じ、健康栄養学科に進学。地域の高齢者への調理・配食ボランティアを経験し、食を通して人の健康を支えたいという思いがより明確になりました。公務員としての働き方に関心を持つきっかけになったのは、2 年次前期に受けた「食品衛生学」の授業です。業務内容とともに、食中毒予防の大切さを知り、この分野で働きたいと強く思うようになりました。どのような働き方があるのか情報収集をする中で、厚生労働省に輸入食品検疫という部門があり、毎年食品衛生監視員※を募集しているということを知りました。
日本は食品の輸入大国であり、輸入食品の安全確保は国民の健康を守るためにも非常に重要な事柄です。検疫所は、その監視業務を担うところで、輸入食品監視業務、検査業務、検疫衛生業務といった幅広い業務があります。検査業務は微生物検査と理化学検査の二つに分かれ、食品衛生監視員はこうした検査業務も実際に行います。大学での授業「微生物学」「食品衛生学実験」などから得た知識がベースとなるため、まさに学んだ知識を世の中のために活かせる、やり甲斐の大きい仕事だと思いました。


進みたい道は比較的早く明確になりましたが、就職活動にはさまざまな苦労が伴いました。最初の壁となったのは、情報量の少なさです。公務員の筆記試験には一般教養、専門、論文の 3 種類がありますが、専門に関しては、分野がマイナーで一般化されたメソッドがなく、数少ない過去問から傾向を読み取って対策を練る必要がありました。書店にもまとまったテキストはないため、「微生物」など各分野の文献を寄せ集めて知識を得ていました。自分なりの方法を導き出すにも試行錯誤の連続で、その方法が本当に正しいのかどうか、どこまでやっておけば安心なのか、それすらも分かりません。不安を払拭するために、とにかく出来る限りのことをやりました。一般教養対策として予備校の講座も受講するなど、使えるものは何でも活用したという感じです。
こうした私の活動に早期から目を配り、サポートしてくださったのが、進路支援センターの皆さんです。情報量が少ないなか、一緒に文献を探したり、役に立ちそうな講座を調べたりと、親身になって動いてくださいました。公務員試験は、民間企業の就活がほぼ終了する 4 年次の春以降に実施されるため、就活の期間はどうしても長くなります。周りがどんどん内定を取っていく中、焦りと不安で挫けそうになることもありましたが、頑張りは必ず成果に繋がると励まし続けてもらえたことが、大きな支えになりました。

現在就活中の人、これから就活を始める人は、自分の可能性を否定せず、挑戦し続ける姿勢を大切にしてほしいです。繰り返し挑戦するということは、それだけ改善を重ねて成長していけるということ。また、挑戦を続ける中で思いがけない出会いやチャンスがあったりもします。難しい試験でも、ベースには大学での学びがあり、そこがしっかりしていれば自分の努力で知識の上乗せをしていけます。大学での学修はその基盤づくりなので、私自身もそれを意識して学んできました。今、振り返って思うのは、4年間の学びは確実に将来の夢に繋がっていたということです。知識も技術もまだまだ不十分ですが、業務を通じてたくさんのことを学び、周囲の人たちに信頼してもらえるプロをめざしたいです。
健康科学部 看護学科 渡辺 にち栞 さん
私は人とどう関わりたいのか。
自分としっかり向き合うことで、納得の行く就活ができました。

渡辺 にち栞 さん
大阪回生病院
健康科学部 看護学科 2023.3 卒業
大阪府立豊島高等学校出身
看護の分野に進学を決めたのは、高校3年の夏でした。それまで、服飾系など看護と異なる世界にも興味があり、ずっと進路に迷っていましたが、家族と相談を重ねる中で、「自分は人とどう関わりたいのか」という問いに行き当たり、「人に直接携わって、人のためになっていることを感じたい」という自分なりの答えの先に、看護師という選択肢が見えて来ました。人に関わり、その人の人生をより良いものにする手助けができる、やり甲斐の大きい仕事です。一方で、人の命を背負うことの重大さ、責任の重さに耐えられるのかという不安も少なからずありました。実は今でも、その不安がゼロになったわけではありません。けれど、4 年間の学びと就職活動の経験を通して、常に完璧である必要はなく、自分の中の迷いや不安に蓋をする必要もないということに気付かされ、今は、なんとかやって行けるだろうという自信もついて、看護師としてのスタートを迎えています。
看護学科に進んだものの、1、2 年の頃は、服飾系への夢も捨てきれず、まだ迷いがあったので、担任の先生との面談でも必ずそれを伝えていました。否定されるかと思っていましたが、先生方は「わかるわ。渡辺さんお洒落やし。したいことをしても良いと思う」とあたたかく、資格を取っても絶対に看護師にならなければいけないわけではないという道筋を示してくださいました。この時、看護師になることを強要されていたら、私のモチベーションは下がっていたかも知れません。迷いも不安も、全てひっくるめた自分を受け容れてもらい、悩みを聞いてもらいながらゆっくりと進路に向き合えたことが、最終的には自分の意志でこの道を選んだと納得できる結果に繋がったのだと思います。


看護師として頑張ろうという決意を後押ししてくれたもう一つは、病院実習で担当したある患者様との関わりです。転倒による怪我のため一人でトイレに行けなくなったその方のリハビリを、オリジナルのカレンダーを使ってサポートしました。小さなステップを超えられるたびに一緒に色を塗り、退院の日までに回復するという目標を達成することができました。自分が出来ることを提案し、お手伝いしただけなのに、本当にありがとうと何度もお礼を言われ、こちらの方が感謝の思いでいっぱいに。看護の仕事の素晴らしい一面を実感させられた経験でした。
本格的に就活を始めたのは、3 年次の 3 月頃です。選考書類の自己アピールをどう書くか?が最初の課題となり、色々な人に相談しました。大学の進路支援センターでは、自分自身の長所・短所を客観的に整理し、相手に一番伝えたいことは何か、丁寧な対話から導き出して頂きました。選考が進んでからも、面接のアドバイスや困りごとの相談など、必要とする時にいつでも手を差し伸べてもらえるセンターの存在はとても心強いものでした。


面接試験は、選考書類に書いたことをより詳しく掘り下げる形で進められるのが一般的です。私は、自分の明るいところ、人に元気を与えられることを一番の長所と考え、書類でも面接でも全面的にアピールしました。最初に受けたいくつかの病院では自分を出し切ることができず、不採用も経験しました。勤務先となる大阪回生病院は、面接の雰囲気がとても和やかで、自分の思いや人となりを素直に伝えることができました。これで落とされるのならもう仕方がないと思えるくらい、出し切ったという手ごたえがありました。その結果をちゃんと評価して頂き、就職活動として最良の締めくくりができたと思っています。
4 月からは看護師として、患者様に少しでも元気を与えられる存在になれるよう努めていきたいと思います。
子ども教育学部 子ども教育学科 屋良 海月 さん
部活も勉強も頑張った四年間。
就活は短期集中型。スタートの遅れを取り戻すため、ポイントを絞り、力を出し切りました。

屋良 海月 さん
公立小学校(大阪市)
健康科学部 子ども教育学科 2023 年 3 月卒業
石川県立門前高等学校出身
高校生の頃は保育士になるのが夢でした。また、小学3年の時から打ち込んできたソフトボールを続けたい気持ちも強く、資格取得とクラブ活動を両立できる環境がある大阪青山大学に進学しました。小学校教諭の仕事に関心を持つようになったのは、大阪市内の小学校で先生として働く部活の先輩たちの体験談を聞いたことがきっかけです。アットホームな環境で周囲との関係も良く、皆で助け合いながら成長しているという先輩たちの生き生きとした姿を目にし、自分もそこで働きたいと思うようになりました。経験してみないとわからない仕事のやりがいや大変さ、良いことも悪いことも含め、生の声を聞く機会に恵まれたことはとてもラッキーでした。クラブやサークルに限らず、学内の活動やボランティア等に参加している人は、そこで得た縦の関係を大切にし、就活でも大いに役立ててほしいと思います。

小学校の先生をめざすと決めたものの、すぐに就活(教員採用試験準備)に集中できたわけではありません。所属する女子ソフトボール部は、関西学生ソフトボールリーグの一部残留に向けた正念場を迎えており、さらに私は部員28名をまとめるキャプテンに任命されたため、しばらくは部活メインの生活が続きました。長期休み中には遠征試合もあり、並行して資格取得のための学外実習をこなすなど、目まぐるしい日々を経て、ようやくスタート地点に立てたのは 3 年次の冬頃でした。
ずいぶんと遅い開始だったと思います。教員採用試験を受ける学生のための本学独自のプログラム「教職応用演習」に参加して周りを見てみると、クラスメイトたちがもうずっと先の段階に進んでいることがわかり、焦りも湧いてきました。しかし時間は戻せません。まず今何をすべきか、何ができるかを考え、行き着いた答えは「ポイントを絞る」でした。「自分が苦手なところ」「これまでによく出されている問題」この二つを重点課題とし、繰り返し取り組んでいきました。
4年次になると、対策内容が筆記から実践へと移っていきます。面接、模擬授業、場面指導、とにかく何度も練習しました。根気よく付き合ってくださった先生方には今でも感謝しています。採用試験における場面指導では、小学校で起こりうるさまざまなやり取りを想定した場面が提示され、教師としての対応を求められます。全てを想定して準備することはほぼ不可能ですが、自分の教育者としてのポリシーに沿って判断・対応するという軸を持っていれば、多くの場面に対応できると思います。私は「友だちを傷つけない(暴言・暴力は絶対にNG)」を常に自分の最優先事項にしてきました。

背景にあるのは、部活でキャプテンをやってきた経験です。部員が28人いる中で、試合に出られるのは10人程度。そんな中で全員が過ごしやすい環境を作ることは、自分に課せられた大きな役割でした。集団を皆にとって居心地の良い場にするためには、相手を大切にすることは大前提です。実際の試験の場面指導でも、そのことを中心に据えて自分なりの答えを導き出しました。

採用試験は範囲が広く、すべてに準備ができたらベストですが、私のようにスタートが遅れたり、部活が忙しくて時間が取れなかったりする場合は、取捨選択も必要です。その時、できなかったことを気に病むのではなく、できることに集中して努力することが大切だということも学びました。全てを完璧にという考えに捉われていたら、両立は不可能だったと思います。物事の優先順位を見極める経験それ自体も、貴重な学びとなりました。今は、支えてくださった全ての人に、ありがとうの気持ちでいっぱいです。春からの教員生活では、一人ひとりに居場所のあるクラスづくりが目標です。

クラスメイトと一緒に。春からは三人とも同じ大阪市の教員として働きます