【管理栄養士をめざす人へ #10】食品メーカーでの業務内容や、やりがいを紹介
管理栄養士の仕事に興味がある、養成課程への進学を考えている …、そんな方たちに、管理栄養士として食に関わることの魅力をもっと知ってもらえるよう、お役立ちコラムをまとめました。
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管理栄養士は、国に定められた養成課程のある学校に通い、卒業後に国家試験を受験して合格すると得られる資格です。
主な就職先は、病院や福祉施設、小・中学校や一般企業など多岐にわたり、その中には食品メーカーや製薬会社、化粧品メーカーなども含まれます。
今回は、メーカーでの管理栄養士の業務内容や、やりがいについて紹介していきます。
どんな業種、業態があるの?
食品メーカー
食品メーカーでは、お弁当や離乳食、介護食などの食品や、機能食品、サプリメントなどを開発しています。
管理栄養士は、購入する人の健康や栄養状態が向上するような機能食品を研究し、世の中に送りだす商品の開発を行います。
スーパーやコンビニなどで、「管理栄養士考案・開発」と言ったキャッチフレーズとともに販売されているお弁当やお惣菜を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
食品やサプリメントを利用するのは一般の人だけではなく、アスリートや介護を必要とする人などさまざまです。
メーカーの業務形態や企画によって対象者は異なり、「体調の改善」「健康維持」「スポーツパフォーマンスの向上」など、さまざまな目的を設定したうえで栄養の観点から食品を研究し、商品の開発につなげます。
製薬会社
製薬会社では、主に医薬品を研究開発・販売しています。
そうした会社でも、健康食品やサプリメントと言った食品に分類されるものを開発・販売しており、そのプロセスに管理栄養士が関わっていることも少なくありません。
化粧品メーカー
同じく、化粧品を開発しているメーカーでも、健康食品やサプリメントを取り扱っているケースがあり、管理栄養士が活躍しています。
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また、これら全ての業種において、管理栄養士が、開発した商品を広く知ってもらうためにメディアを通した情報発信などの広報・宣伝活動を行うこともあります。
メーカーにおける管理栄養士の役割とは?
商品の企画・開発はもちろん、企業や商品の PR 活動に携わることもある管理栄養士。具体的にはどのような業務や役割があるのでしょうか。
企画・リサーチ
管理栄養士が所属する研究職や企画開発職、商品の販売促進を行うマーケティング職が連携し、どのような商品を作るのかを考えていきます。
その過程では、社会状況や流行などにもとづく市場のニーズを探ったり、材料の検討を行ったりと、調査やリサーチが必要となることも。様々なフィールドに視野を広げておくことが大切です。
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開発
企画・開発段階で決定した方針のもと、対象となる商品の商品設計を行います。
味や見た目のことはもちろん、どのような材料をどのように配合して作るか、製造過程ではどのような機会を使い、どのような手順で行うのか、といった生産工程まで見通した検討が必要です。
さらに、衛生チェックや細菌検査、栄養素の分析といった仕事も行います。
試作・試食
試作・試食においては、味や匂い、形状や食べやすさなど多数のチェック項目の評価にもとづいて改良を繰り返していきます。
試食は最初開発チームの中で行い、順に範囲を広げて多く意見を募ります。
商品化・販売
内容が固まり、商品化が確定した後は、パッケージデザインや販売経路などについて検討していきます。
そうしたプロセスを経て、商品が店頭に並び、消費者の元に届けられます。
より多くの人に商品を知ってもらうために、広告・宣伝活動はもちろん、最近では SNS を活用した広報活動なども盛んに行われています。
おわりに
メーカーでの商品開発職は、自分が研究・開発に携わった商品が世の中に出て行くこと、また商品を通して人々の健康増進や食生活の改善に貢献できる、やりがいの大きい仕事です。
管理栄養士としての専門知識を活かして形あるものを生み出すことに興味のある人は、こうした職種も視野に資格取得をめざしてみてはいかがでしょうか。





