「食べてなんぼの栄養学」の実践者の活躍を祈念して

藤原 政嘉 先生
元 健康科学部 健康栄養学科 教授・健康栄養学科長
在職期間:2007 年 4 月 〜 2021 年 3 月
現 公益社団法人大阪府栄養士会代表理事 会長

開学 20 周年、誠におめでとうございます。
歴代の理事長、学長はじめ教職員の皆様の教育・研究への弛まない情熱であっという間に 20 年を迎えました。あらためましてお祝い申し上げます。

私の本学との馴れ初めは、まだ、大阪市立大生活科学部で教員としている頃、故塩川 利員 先生と故廣瀬 良樹 先生がわざわざ、杉本町までお越しになり、両先生から本学の管理栄養士コースは実践者を養成して卒業させたいと熱弁をいただきました。私も同様な考えを持っておりましのたで、お世話になると返事させていただいたのが始まりで、2007 年(平成 19 年)から退官する 2020 年(令和 2 年)までの 13 年間、健康科学部健康栄養学科の教員としてお世話になりました。

私の教育理念は「食べてなんぼの栄養学」で、食べなければ栄養のプロセスは始まらないでした。
「食べる(摂取する)事」が最も重要であり、そのためには食品を美味しい食べ物(料理)にする調理が重要であるとともに、その料理に体の欲する栄養素がバランス良く配置されている献立が重要となります。管理栄養士にとって、対象者が継続して実践できる食生活プランを提案できる真の栄養指導をするためには、ただ単に栄養素指導ではなく「調理」ができ「献立」を作成できることが、絶対に必要な専門知識であり技術であると、絶えず講義していました。そのため、故塩川 和子 先生の理解を得ながら、他大学より調理実習の時間を多くとった授業構成のもとで教育させていただきました。

日本で栄養士が生まれて 100 年、奇しくも NHK 朝の連続ドラマ「おむすび」の主人公が栄養士・管理栄養士として活躍する内容で、私も病院管理栄養士として活躍する主人公に専門用語の説明や所作の監修をさせていただきました。
また、画面で映された病院食事の献立もすべて私が立案しました。少しは、栄養士・管理栄養士の仕事を世間にアピール出来たと思っております。
本学が開学して 20 年を迎え、健康栄養学科の卒業生は「調理ができ、献立を作成できる」ところに特記するところがあり、医療・福祉(高齢者・保育)・学校教育・事業所給食の現場で活躍する者も出てきており、私が伝えた「食べてなんぼの栄養学」を実践してくれています。これからますます社会で活躍する卒業生が増えるでしょう。

本学が 20 年で築いた伝統に、今後一層研きをかけ、特徴ある大学に発展することを祈念いたします。

公益社団法人日本栄養士会は、 NHK 連続ドラマ「おむすび」の制作に協力しました