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【幼稚園教諭をめざす人へ #09】幼稚園教諭の一日に密着!いつ、何をしているのかを解説します

子どもと関わる仕事に興味がある、養成課程への進学を考えている …、そんな方たちに、専門職として子どもの保育・教育に関わることの魅力をもっと知ってもらえるよう、お役立ちコラムをまとめました。

 

幼児教育に興味のある方であれば、幼稚園教諭の仕事が子どもたちと触れ合うだけではないことを、知っておられるかもしれません。
実際、幼稚園の先生は、子どもたちが登園してくるまで、帰宅してからの時間にも、日常の準備・片付け、行事の計画など、さまざまな仕事を行っています。
今回は、幼稚園教諭の 1 日の仕事内容と、1 年間の流れについて解説します。

幼稚園教諭の一日

まずは一日の基本的な流れを見ていきましょう。

出勤

早いところでは、7 時頃から子どもたちが登園し始めます。
その場合、先生はそれよりも早い 6 時半ごろに出勤し、園児たちを迎える準備をします。
早く出勤した日は、その分早く退勤することになります。
こうした園ではシフトが組まれることが多く、早く来て早く帰る日と、遅く来て遅く帰る日が混在する場合も少なくありません。

子どもの登園

保護者に連れられて登園して来た子どもたちを迎えます。
その際、子どもの体調や、普段と変わったことがないかなどを保護者に確認します。
保護者からの申し送りがあればそれを聞き、教員間で情報共有を行います。

自由遊び

順に登園してくる園児が揃うまでの時間は、園庭やクラスの教室での自由遊びがメインとなります。
担任の先生は登園する園児の対応を主に行い、補助的な人員が自由遊びを見るケースもあります。

設定保育

登園が完了する時刻になると、クラスごとに集まって出欠をとります。
園児のお当番などを設定している園では、担当の子どもたちが日課として取り組むことの確認やサポートを行います。
その後は、学齢に合わせた設定保育の時間となります。
指導要領に則った、運動遊び、制作、音楽などをベースに、季節の遊びや行事に関することを取り入れた遊びを行ったり、発表会などイベントの準備や練習に取り組んだりします。
園によっては英語や宗教に関する時間を設けていたりすることもあります。

昼食

11:30 〜 12:00 頃になると、昼食の時間です。
園児たちと一緒に昼食を摂りながら、配膳や食事中のマナーやルールに関する指導を行います。
また、個々の食欲や食事のスピード、好き嫌いなどについても気を配り、必要に応じてサポートしたり、降園時に保護者に報告したりします。

午後の遊び → 降園

午後の早い時間は、午前と同様に設定保育を行うことが多いです。
その後、片付けや振り返りの時間を経て、降園となります。
降園時、その日にあった主だったことを迎えに来た保護者に報告し、子どもたちを送り出します。

片付け・準備・事務作業

子どもたちが帰ったあとは、教室の片付けや整理整頓、翌日の保育の準備やイベントの打ち合わせ、おたよりなどの配布物や教室の掲示物の作成など、事務作業を行います。

子どもたちと接することがメインとなる幼稚園教諭の仕事ですが、そのための準備や資料作成など、制作や事務作業が伴う職業でもあります。
また、保護者とのコミュニケーションも、日々の大切な業務となります。

幼稚園教諭の一年

では、一年を通して見ていくと、どのような仕事があるのでしょう。

4 月4 月は、幼稚園が新しい先生や園児を迎え、新しい体制でスタートする月です。
入園式や進級式など、子どもたちにとっても大きなイベントがあります。
慣れない環境に置かれた子どもたちの不安を取り除き、信頼関係を構築するため、より丁寧な個別対応が必要とされる時期でもあります。
5 月新しい環境に少しずつ慣れてくる頃です。
それぞれの個性や人間関係も把握できるようになり、クラス運営も軌道に乗ってきます。
行事としては、こどもの日や母の日があり、それに関連した本を読んだ入り制作に取り組んだりします。
6 月雨が多く、室内遊びが増える時期です。
梅雨の時期ならではの季節感を取り入れた本を読んだり制作に取り組んだりします。
7 月水遊びや、園によってはプール遊びがスタートします。
特にプールは子どもの体調管理や安全確保に留意しながら指導に当たります。
また、普段から熱中症や脱水などのリスクに気を配り、子どもたちにも注意を呼びかけることも行います。
多くの園で、七夕の笹飾りを作ります。
8 月夏休み期間中、預かり保育のある園はこの期間も保育を行い、ない園は期間を限定した夏季保育などを行います。
2 学期に行われることの多い運動会や発表会などの準備期間にも当てられます。
9 月2 学期が始まり、夏休みの思い出を子どもたちから聞くなどしながら、成長ぶりを実感する時期でもあります。
行事としてはお月見や敬老の日などがあり、関連した保育を行います。
運動会や発表会の練習がこの時期にスタートする園もあります。
10 月運動会や発表会を実施する園が多く、学齢に応じた目標を設定し、達成に向けてチームワークや集中力など様々なことを学ばせる大切な時期にもなります。
また、秋の味覚や紅葉など、季節に関連した保育や行事を取り入れる園も多くあります。
11 月制作などに取り組み、展示・発表を行う園の多い時期です。
子どもたちの表現力を伸ばすための色々な工夫を、指導に取り入れていきます。
12 月気温が下がり、風邪や感染症に注意が必要な時期です。
手洗い・うがいの大切さなど、子どもたちにも様々な形で日常生活での心がけを学ばせます。
行事としてはクリスマスや、冬休み中に迎える年越しなどについて、絵本や劇を通して学ばせたり、歌や伝統遊びを取り入れたり、制作に取り組んだりして学ばせます。
1 月子どもたちと冬休みの生活を振り返りつつ、1 年の集大成に向けた 3 学期のスタートです。
寒さに負けない体づくりに取り組む園、マラソン大会などの行事を行う園もあります。
2 月1 年の成果の見せ場として、発表会などを行う園もあります。
行事としては節分があり、鬼のお面などの制作に取り組むこともあります。
3 月いよいよ卒園、進級のシーズンです。
この 1 年での成長を喜び、新しい環境に希望を持たせます。
年長クラスは卒園式の練習や卒業制作に取り組みます。
また一方で、4 月以降の「年間指導計画」を作成し、次年度を迎える準備を行います。

1 年を通して見ていくと、どの季節にもその時期ならではの取り組みがあり、子どもたちにとっては毎日が大切な時間であることがわかります。
幼稚園教諭はそのことを意識しながら、かつ園児一人ひとりの様子に気を配り、日々の教育を行っています。
1 年が過ぎる頃には、子どもたちの大きな成長を感じることができるでしょう。

おわりに

今回は、幼稚園教諭の仕事内容を「一日」「一年」の単位で見てみました。
年間を通して多くの業務があり、多忙な毎日を送る幼稚園教諭ですが、子どもたちにとってかけがえのない幼児期を共に過ごし、成長を支えるやりがいの大きな仕事です。
興味を持った人は専門的に学び、幼稚園教諭をめざしてみませんか。