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#15 大阪青山歴史文学博物館所蔵品に関する研究

共通教育部 教授 / 大阪青山歴史文学博物館 主任学芸員
小倉 嘉夫
研究分野:人文・社会、日本史、日本文学

本学の付属施設 大阪青山歴史文学博物館で主任学芸員を務める小倉教授は、当博物館の収蔵資料について研究し、講座・講演会等を通して広く一般に紹介してきました。現在、論文など学術媒体での成果発表に繋げるべく、学外研究者との共同研究など新たな方面にも活動を広げつつあります。

 

研究内容を教えてください

大阪青山大学付属の大阪青山歴史文学博物館に所蔵される資料について研究しています。

このテーマで研究を始められたきっかけや経緯を教えてください

私自身が収蔵品を管理する立場にあることや、日本の歴史や文化に関わる授業を担当していることからです。私自身は大学で日本史を、大学院では文学を研究し、専門を聞かれると「国文学」、特にその中でも「和歌文学」と答えています。しかし本館の収蔵資料は多岐にわたり、「それどころではない」と思いました。博物館では展覧会は現在停止していますが、年に何度も講座や見学会を開催しており、あらゆる収蔵品を展示・解説しなければなりません。自分がきちんと解説できるものは全体のほんの一部しかないので、それ以外のものも紹介して学術的価値をご理解頂き、来館者に喜んでもらいたいという気持ちを持ちました。

実際にどのようなことを調べてこられたのでしょうか

資料の伝来や学外にある関連資料との比較検討などです。そういう成果は本学が開設している講座などでは積極的に紹介していますが、論文などの学術媒体には発表してこなかったという反省があります。この数年は東京大学史料編纂所さんのご協力を頂き、中世の古文書について研究しています。これにつきましては順次報告書を発行しています。

研究をすすめる中で今どのような課題や成果が見えていますか

収蔵品は数千点に上り、自分の専門外の資料があまりにも多く、学外の研究者のご協力を得ないとどうしようもありません。これまで大学の方針として、収蔵品を大切にするあまり学外者への閲覧は消極的でしたが、それでは宝の持ち腐れです。今後は学内の理解も得ながら、学外研究者と共に積極的に研究を進めたいと思っています。先述のように東京大学史料編纂所さんの御協力により成果物を世に出しつつあり、良い方向に向かっているのではないかと思っています。

学生の皆さんへ

せっかく日本で生活をしているのですから、是非日本の歴史や文化に関心を持ってもらいたいと思います。歴史上の有名人物の書いたもの、歴史的事件に関わったもの、誰でも知っている古典文学の貴重な写本などが博物館にはたくさんあります。学術研究という大げさなことではなく、皆さんの「教養」とか「心の栄養」になるものばかりです。授業でも積極的に紹介しますので、博物館にも是非本物を見に来てもらいたいと思います。